
最近、君津中央病院では
写真の張り紙がされるようになりました。
10月1日から夕方5時から翌朝8時までに
救急外来を受診した小児(中学生以下)の軽症の患者さんから
診療代金とは別に5400円を徴収するという内容です。
発熱ぐらいで中央病院に夜かからないでくださいね、ということです。
軽症の定義は診察している医師にゆだねられていますので、
同じ疾患でもお金を取られる場合と取られない場合が発生するかと思います。
なんでそんなことを始めるのかというと、
中央病院の小児科医を守るため、です。
まず大前提として、中央病院は夜間に外来をやっていません。
夜間に診察するのは
その時間に診察しなければ、
患者さんの命に係わる可能性がある場合に限られます。
そういう最後の砦の場所を守るためには
軽症で来院しないようにしていただきたいのですが、
実際に多くの軽症の患者さんがやってきます。
電話で問い合わせをしてくれるのはまだよいのですが、
風邪や熱で夜中に直接来院された場合、
医師は診察しなければいけない義務が発生します。
もちろん、直接来院してしまう親御さんの気持ちは理解できます。
要は不安なんですよね。
このまま朝まで様子を見ていいか、判断ができない。
地域によっては、24時間小児科医がきちんと診てくれるところもありますが、
それは小児科医が多い地域に限られます。
木更津地域はどうかというと、極端に医師の数が少ない地域であり、
小児科医はさらに少ない状況です。
そういう地域の親御さんは
お子さんが夜具合が悪くなったときに
気軽に病院に行ってはいけない、のです。
朝まで様子を見てもよいのか、病院に行った方がよいのか、
親御さんがこどもの病気に対する知識を持つことが重要となります。
すごーく簡単に言うと、
「熱だけ」「嘔吐だけ」で
夜中に病院に行かなければいけないことはまずありません。
解熱剤がないから、吐き気止めがないから夜に病院にいく必要も全くありません。
もちろん、
夜間急病診療所は夜8時から11時まで毎日やっていますし、
(こちらはもちろん、5400円は徴収しません)
こども急病電話相談というのがあり、
毎日午後7時から10時まで「#8000」にダイヤルすると
病院に行くべきか、相談にのってくれます。
他の地域でもこの時間外選定療養費を開始したところ、
夜間の軽症の患者さんの受診が激減しています。
この地域の最後の砦の小児科医を守るため、
もっとも有効な手段としてやむを得ず始まる時間外選定療養費。
皆さんはどう思いますか?